大判例

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東京地方裁判所 昭和46年(借チ)1074号 決定

〔主文〕1 申立人が、相手方から賃借中の別紙目録(一)記載の土地上に、同地上に存在する同目録(二)記載の建物とは別に同目録(三)記載の建物を建築(増築)することを許可する。

2 申立人は、相手方に対し、金四九万円の支払をせよ。

3 別紙目録(一)記載の土地に関する申立人相手方間の賃貸借契約の賃料を本裁判確定の日の属する月の翌月分から一ケ月一万八九〇〇円に改める。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から昭和二四年一〇月二八日別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的、期間五四年一〇月二七日までの約で賃借し、同地上に同目録(二)記載の建物(以下本件建物という)を所有している。賃料は、昭和四六年一月一日から一ケ月一万五九〇〇円に改められ、現在にいたつている。

2 申立人は、本件土地上に本件建物とは別に同目録(三)記載の建物を建築すべく計画しているが、右建築につき相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立の要旨として掲げた前記1、2の事実のほか、本件増築は土地の通常の利用上相当であることおよび本件借地契約には増改築制限に関する特約の存否が明らかでないことが認められるので、本件申立は、これを許可すべきである。

相手方は、本件申立は棄却されるべきであるとし、その理由として、(一)相手方の娘夫婦に、その健康上の理由から、本件土地の道路側の一部の返還を受け、ここに店舗をつくらせたいので、期間満了の際更新拒絶の予定でいること(二)申立人が本件土地で材木商を経営するというので本件土地を賃貸したのであるが、アパート経営をするというのは相手方の予期に反することの二点を挙げているが、本件借地契約の期間が満了するのは七年余の先のことであり、現時点で更新拒絶の正当事由の存否を予測することは困難であり、また、借地人の都合により営業を変更するのを賃貸人からとやかくいえる筋合のものではないので、右の理由をもつて本件申立を排斥するわけにはいかない。

2 附随処分

本件増築により、借地上の建物を利用することにより申立人の得べき収益は従前より増加することになるので、申立人に対し、相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当であり、その額は、本件建物もいずれは増改築しなければならず、その際財産上の給付が必要になるので、借地上の建物の全面改築の場合より低くて然るべく、全面改築の場合の財産上の給付が従来の裁判例からして更地価格の三%程度を相当とするので、本件の財産上の給付は、鑑定委員会の評価する本件土地の更地価格(3.3平方米当り四八万六〇九〇円)の三%に増築建物の床面積を乗じ、それを本件建物と増築建物の床面積の和で除した四九万円を相当とし、収益増に伴い賃料を、増額するのが相当であり、改正額は、鑑定委員会の意見に従い一ケ月一万八九〇〇円とする。 (小山俊彦)

目録

(一) 東京都品川区中延六丁目七九八番二

宅地 245.55平方米

(二) 右地上所在

家屋番号 七九八番

木造瓦葺二階建店舗居宅

床面積 一階 88.06平方米

二階 88.06平方米

(三) 木造瓦葺二階建共同住宅

床面積 一階 74.38平方米

二階 72.72平方米

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